物語や小説を作るときに重要になってくるのが、登場人物のキャラ設定です。キャラ設定がブレブレだと物語を読みすすめる際「なんでコイツがこのタイミングでこんな行動を?」と、話のつじつまを合わせるのに矛盾が生じてしまい、そうなってくるとなかなか感情移入できませんし、読んでいてもつまらないものになってしまいます。
だからといってキャラの性格を設定するのは割りと骨の折れる作業であることも確かです。
なので、今回は物語を先に作るのではなく、キャラ設定をしてから物語を作成する実験をしていきます。
ではどのようにしてキャラクターの全体像を設定していけば良いでしょうか。今回その方法は、登場人物を構築する要素を分け、要素の中に適当に言葉を用意したのち、ランダムで言葉を選んでキャラクターを設定する手順で進めます。
といってもわかりづらいのですね。
森の奥深くで生まれ、普段は面白いが、大勢の中では明るいような、精神年齢77歳、肉体年齢10歳の、においというキャラが(オス)海水を飲み干す
ような物語を考えていきます。
赤字の部分はランダムで抽出された言葉を並べた結果出来上がったキャラクターです。
以下のボタンを押して見て下さい、適当に作られます(その後は「戻る」とかで記事に戻ってきてねー)
要素1 性別
まず性別を決めていきます。
- 男性
- 女性
- 男性だけど女性の性格
- 女性だけど男性の性格
- 両性(カエルちゃん)
このくらい用意しておけば良いでしょう、実験なので。
要素2 何なのか
何なのかといわれてもよくわからないかもしれませんが、物語によってはもしかしたら主人公は人ではないかもしれないからです。ファンタジー作品やアニメ、NHKのコッシーだってあいつはイスですよね。作品を考える時に「主人公は人」という前提を無くし、多種多様なキャラクターを想定して物語を作るのも良いかもしれません。
しかしそういった物語を考えてない場合は「人」一択で良いでしょう。要素2は飛ばしていただいて結構ですが、今回は実験ですので人以外も含めて羅列していきます。
- 人
- 動物(犬とか金魚とかくじらとかプテラノドンとかミジンコとかとにかく色々)
- 形がはっきりした物(机とか服とか山とか白米とかボールとか髪の毛とか)
- 形がはっきりしてない物(火とか水とか風とか雪とか光とかにおいとか味とか時間とか)
まあほかにもあるでしょうが、あげてたらキリがないのでやめます。
要素3 肉体年齢
年齢を考えていきます。といっても年齢はもうすでに数値化されているので特に羅列する必要はありません。なので、0~145歳(インドネシアにいるらしい世界最高齢の男性)の間でまずランダムに選択しましょう。
それ以外として、146歳~200歳、201歳~500歳、501歳~1000歳、1001歳~5000歳、5001歳~10000歳、10001歳~100000歳、100001~1000000歳くらいを取り揃えておけば、要素2でお話ししたように、たとえキャラクターが人でなかった場合でも対応できるかと思います。
- 0~145歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では0歳~100歳の間で抽出されます)
- 146歳~200歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 201歳~500歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 501歳~1000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 1001歳~5000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 5001歳~10000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 10001歳~100000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 100001~1000000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
要素4 精神年齢
年齢と精神年齢は必ずしも一致しませんね。僕の周りにもそういう人いますし、年齢と精神年齢が一致しないからこそ生まれるドラマもあるんですよきっと。なので精神年齢も要素に加える必要があります。精神年齢の要素は年齢と同じでよいでしょう。
- 0~145歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では0歳~100歳の間で抽出されます)
- 146歳~200歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 201歳~500歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 501歳~1000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 1001歳~5000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 5001歳~10000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 10001歳~100000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
- 100001~1000000歳(ボタンで出来るランダムキャラ設定内では省略)
要素5 性格
すこしづつキャラ設定ができあがってきました。次に性格を考えていきますが、性格といってもシンプルではありません。例えば「優しい」と設定したとして、いつ、どのタイミングでも優しいとキャラに深みが出ませんね。
要素5-1 基本性格
ですのでまず「基本性格」として、そのキャラの基本的な性格を選ぶようにし、次に出てくる「条件性格」によって、「基本性格 優しい」けど「条件性格 ~~」と複数の性格を設定していくことで性格の内面と外面を作っていきます。
- 優しい
- 冷たい
- 明るい
- 強がり
- 女々しい
- 頼りがいがある
- 面白い
要素5-2 条件性格
「基本性格」が「優しい」けど「条件性格」は「女々しい」などとなります。実験ですし、言葉を拾ってくるのが面倒なので基本性格と一緒にしてしまいます。
- 優しい
- 冷たい
- 明るい
- 強がり
- 女々しい
- 頼りがいがある
- 面白い
要素5-3 条件
条件性格が現れる際の条件を決定しなければなりません。
例えば基本性格において「優しい」が選ばれているのに、条件性格では「冷たい」が選ばれてしまうと「優しいのに冷たい」という矛盾を防ぐためです。
条件性格の前にそれが出る条件を指定することで矛盾を回避します。
あくまで先に来るのは基本性格であって、ある条件が満たされた時には条件性格が出てくるのです。では条件を羅列してみましょう。
- 時折
- 夜には
- 幼少時代は
- 大勢の中では
- 1年に1度きり
条件を作る際に重要なのは、条件を満たす頻度を少なくする言葉を選ぶことです。基本性格が大前提にあるのに例えば条件が「1週間のうち6日間は」となると基本性格と条件性格が逆転してしまいます。
「優しいのに 1週間のうち6日間は 冷たい」となると、考え方としては「冷たいのに 1週間のうち6日間は 優しい」と同じになり、そうなると「冷たい」が基本性格、「優しい」が条件性格になってしまいます。
基本性格があっての条件性格を考えるので、条件は頻度の少ないものを選びましょう。
要素6 生まれた場所、環境
キャラのルーツは大事になっていきます。物語も後半に差し掛かってくると主人公のルーツに触れることもあるかと思います。場所であるかもしれませんし、環境を設定することでルーツを連想させることもできるかもしれません。
この登場人物の生まれた場所や環境というルーツがあるからこそ、この主人公はこの様な行動を取るのだなと納得させる理由につながります。
- オホーツク海沿岸に生まれ
- 森の奥深くで生まれ
- 裕福な家庭のもとで育ち
- 機械の音を聞きながら育ち
- あの2階で育ち
- 泥にまみれながら育ち
- 宇宙の彼方で生まれ
とりあえず羅列は面倒なのでやめます、何度も言いますが実験なので。
(要素7 目的、目標)
要素7としてキャラクターの目的、目標を設定するのもありかなと思いましたが、きっとランダムで設定されたキャラクター像から目的、目標を想像した方が面白いのかなと思い()(かっこ)でくくっておきました。
ですが目的まで明確に言葉で出てきたほうがイメージがスッキリするのでやっぱり載せていきます。
- 部屋の完璧な掃除を目指す
- 富士山の頂上を狙う
- 一人ぼっちになる
- 過去にさかのぼる
- 生き別れの親を探す
- 海水を飲み干す
- ミミズ一掃に挑戦する
キャラクターができあがりました
どうでしょうか、具体的なキャラクターが設定されたと思います。
あとはこの主人公を軸に、肉付けしていって、読み応えのある物語を作るだけですね。
といっても、そこが一番難しいんですが…
森の奥深くで生まれ、普段は面白いが、大勢の中では明るいような、精神年齢77歳、肉体年齢10歳の、においというキャラが(オス)海水を飲み干す
ような物語…
ためしに作った話はこちら