はい、夏休み冬休みも終盤になり、未だに手をつけられていない作文という名の宿題(ラスボス)。
小学生の子供にどういう風に作文の書き方を教えたらいいのかわからないから色々と検索しているうちにあなたはこの記事に辿り着きました。
安心してください、「作文 教え方 小学生」などで出てくる記事のような、ちょっと頭が良くないと教えられない内容ではありません。
多少の裏技感、ズル感はありますが、これから紹介する方法を使えば子供の文章を書く力は確実に増します。
新学期まで残り何日ですか?
親子で協力して宿題のラスボスである作文をサクッと終わらせましょう。
作文にしたい出来事を決める
きっとあなたの子供は原稿用紙にタイトルと自分の名前、良くて一行作文的なものを書いたところで筆が止まっているかと思います。
題名と名前は残しておいても良いですが、一行作文を書いてくれているのであれば、それは案外邪魔になってしまうかもしれないので、一旦消しゴムで消してもらいましょう。
まっさらな状態から始めます。
まず最初に、子供が思い出に残っている事を聞き出します。
書く出来事くらい子供に決めてもらいたいところですが、休みの期限が迫っていてマジでピンチであれば親がテーマを決めてあげても良いでしょう。
肩の力を抜きながら進めます。
例えば「スキーに行った」「山登りした」「海に行った」「お正月」「お泊まり会」など、一つ決めます。
親がテキストソフトで出来事に沿った例文を書く
パソコンのワードとか、スマホのテキストアプリとかなんでも良いので、修正できる機能を持つソフトで親が出来事の例文を書いてしまいます。
「親が例文を書いてあげるなんて甘すぎる」と思われるかもしれませんが、大丈夫、子供の作文力は上がりますし、休みの期限が迫っているので他に選択肢はありませんよ。
以下は僕が適当に考えた「お泊まり会」というテーマに沿った例文です。
なぜ泊まりに行ったかと言うと春休み前にグランドで約束したからです。
太郎の家に行くので、教科書と肉とお酒を持っていきました。
太郎の家に着いてから木登りをして遊びました。
夜になって太郎のお母さんがおいしくないラーメンを作ってくれました。
ラーメンを食べてすぐ寝ました。
もう泊まりに行きたくないです。
こういった感じでテキストソフトに適当に入力します。
「お泊まり会」の流れから大幅に外れる事なく、且つツッコミどころを散りばめながら親が例文を作ると言う部分がこの裏技の肝です。
赤字の部分が子供からのツッコミ待ちの部分となります。
記事にする為にわかりやすく赤字にしましたが、実際この方法で作文する時は赤字とかにしないでください。
親の作文スキルもほんの少しだけ求められますが、黙っていても作文の宿題は絶対に終わらないのでそれくらいはやりましょう。
例文を声に出して子供に読んでもらいながら修正する
それでは実際に作った例文を子供に音読してもらいます。
子供「いや12月27日じゃないよ!29日だよ!」
と言った感じのツッコミが子供から入ったら今作戦の9割は成功です。おめでとうございます。
親「あー29日だったか、じゃあ修正しようか」
テキストソフトを使って日付部分を修正して、再度音読してもらいます。
子供「いやいや太郎の家じゃないよ!花子の家に泊まりに行ったの!」
親「そうだっけ?なら太郎のところは全部花子に修正した方がいいかな?」
子供「そうだね」
子供のツッコミに合わせて一つずつ該当箇所を修正していきます。
複数箇所修正したい場合はテキストソフトの「すべて置換」とかを使って一括変換してあげましょう。
なぜ泊まりに行ったかと言うと春休み前にグランドで約束したからです。
花子の家に行くので、教科書と肉とお酒を持っていきました。
花子の家に着いてから木登りをして遊びました。
夜になって花子のお母さんがおいしくないラーメンを作ってくれました。
音読と修正を繰り返すことで
「春休み」→子供「冬休みだよ!」
「グランド」→子供「教室だよ!」
「持ち物」→子供「スイッチとパジャマとお菓子とジュースだよ!」
とどんどん修正していくことができますし、子供のツッコミ力も上がります。
自分で修正箇所を指摘できた事を褒めつつ情報を引き出す
作文の締め切りが迫っている親子に「文字数稼ぎ」はどうしても必要になってくる手法です。
作文とはいかに「空白部分を増やすか」との戦いといっても過言ではありませんね。
「持ち物」→子供「スイッチとパジャマとお菓子とジュースだよ!」
このようなツッコミが子供から出てきた場合はすかさず褒めて、子供に調子に乗ってもらいたいところです。
親「お?パパが書いた文より文字数多くなってる!良いじゃない!」
細やかな褒めを繰り返すことで、子供は更なる情報を出したい気持ちにシフトしていきます。
子供「ていうか花子の家に行く前にコンビニに行ったでしょ!」
このような、例文には全く出てこない情報まで出てきたらもう完全に勝ちです。おめでとうございます。
なぜ泊まりに行ったかと言うと冬休み前に教室で約束したからです。
花子の家に行くので、スイッチとパジャマとお菓子とジュースを持っていきました。
→コンビニの件を追記
口語で指摘されたらその通りに修正し、あえて違和感を出す
さて流れはかなり良くなってきているかと思います。
ではそろそろ口語を文章にする練習をしていきましょう。
子供「ていうか花子の家に行く前にコンビニに行ったでしょ!」
親「そうだったね、ではそのことを作文に入れよう」
なぜ泊まりに行ったかと言うと冬休み前に教室で約束したからです。
花子の家に行くので、スイッチとパジャマとお菓子とジュースを持っていきました。
→花子の家に行く前にコンビニに行ったでしょ
子供「違う違う!」
親「違う違うっと(カタカタ)」
なぜ泊まりに行ったかと言うと冬休み前に教室で約束したからです。
花子の家に行くので、スイッチとパジャマとお菓子とジュースを持っていきました。
→花子の家に行く前にコンビニに行ったでしょ
→ちがうちがう
子供「ちょっと待ってそのまま書かないで!」
親「じゃあどう書けばいいの?」
子供「うーん、コンビニに…行きました…?」
親「良いんじゃない?そうやって修正してみよう」
なぜ泊まりに行ったかと言うと冬休み前に教室で約束したからです。
花子の家に行くので、スイッチとパジャマとお菓子とジュースを持っていきました。
→花子の家に行く前にコンビニに行きました。
花子の家に着いてから木登りをして遊びました。
子供「木登りじゃなくてスイッチで遊んだの!」
親「オーケー、じゃ書くね」
なぜ泊まりに行ったかと言うと冬休み前に教室で約束したからです。
花子の家に行くので、スイッチとパジャマとお菓子とジュースを持っていきました。
→花子の家に行く前にコンビニに行きました。
花子の家に着いてから木登りじゃなくてスイッチで遊んだの
子供「だからそうじゃなくて!」
親「違う?ならどうやって書く?」
子供「スイッチで…遊びました?」
親「いいね、そうしよう」
なぜ泊まりに行ったかと言うと冬休み前に教室で約束したからです。
花子の家に行くので、スイッチとパジャマとお菓子とジュースを持っていきました。
→花子の家に行く前にコンビニに行きました。
花子の家に着いてからスイッチで遊びました。
このような流れで添削を進めていくと、訂正箇所を単に口語で伝えていただけの子供が、文章を作る脳に変わっていきます。
もう一度、僕が適当に作った例文を見てみましょう。
なぜ泊まりに行ったかと言うと春休み前にグランドで約束したからです。
太郎の家に行くので、教科書と肉とお酒を持っていきました。
太郎の家に着いてから木登りをして遊びました。
夜になって太郎のお母さんがおいしくないラーメンを作ってくれました。
ラーメンを食べてすぐ寝ました。
もう泊まりに行きたくないです。
5W1Hを意識した質問をして文字数を稼ぐ
花子さんのお母さんの美味しくないラーメンあたりの失礼な箇所を修正すれば原稿はほぼ完成です。
「ラーメン」ではなく「オムライス」だったので修正をかけておきます。
ここで考えないといけないのが「何文字程度」の作文にしないといけないのかです。
文字数が足りていないようであれば、修正する際に5W1Hを意識した質問を投げかけてあげましょう。
5W1HとはWhen(いつ)、Where(どこで)、Who(誰が)、What(何を)、Why(なぜ)、How(どうやって)のことですね。
文字数が足りない場合、上記の1文で終わらせてしまうのは非常にもったいないので、親から5W1Hの質問を投げかけてあげましょう。
親「いつ食べたの?」
子供「遊び終わってから?」
親「どこで食べたの?」
子供「リビング」
親「誰と食べたの?」
子供「花子と花子のお父さんとお母さんと弟」
親「花子と花子の家族とかって書いた方がいいかもね」
親「なんで食べたの?」
子供「お腹が減ったから(夜ごはんの時間になったから、お母さんが作ってくれたから)」
5W1Hを使って質問してあげると、子供はそれらに答えてくれるので、文字数稼ぎができますね。
ちなみにご飯を食べてからすぐには寝なかったようなので、聞き取りをしながら修正。
また泊まりに行きたいらしいので、そこも修正して文章は完成となります。
修正した文を原稿に書き写す
テキストソフトで修正を重ねて出来上がった文章を見ながら、実際に原稿に書いていけば完成です。
手順通りに進めていけば十分な文字数になっていると思います。
作文が苦手な子供だと、文字数を稼ぐ為に無駄な改行をしがちになりますが、ゴールは目前なので、段落を意識させながら書き写します。
僕の作った例文だと少なすぎるので例えにはあまりなりませんが、「場面」が変わった時や、「時間」が変わった時。
「書き出し」部分や、最後の「感想」を述べたい時など、子供が理解できる範囲で段落に一括りにしようと提案してみると良いと思います。
作文でもなんでもやれる事から一歩ずつが大事
親が最初に例文を作ってあげるなんて甘い手法だなんて言う方もいるかもしれません。
今回上記の手法で娘の作文を手伝ってみて、一番良かったなと感じた点は「話し言葉でしか伝えられなかった」からの脱却です。
です、ます調で前後の文に馴染むように自分で語尾を考えられるようになったのが一番の成長部分だと感じました。
できなかった事を一つクリアできました。
なので、次のステップに進むこともできるかと思います。
小学生の作文の書き方、教え方についてのうまくまとめられたサイトはたくさんあります。
書き手が伝えている内容を理解して、自分に落とし込んで、子供に伝えてとなると、きっと作文が出来上がる前に新学期を迎えると言う悲しい結果が待ち受けています。
親も子供も少しだけ肩の力を抜いて、上述した裏技でサクッと作文を仕上げるのも一つの方法かと思います。
もしどうにも間に合わなそうならこの方法で、親子で、作文を完成させてみてはいかがでしょうか?