ついこの間まで順調に育っていた養液栽培での野菜の元気が急になくなってきたなんて経験はありませんか?
もしかしたら、気温や室温の上昇とともに水耕栽培の装置内を循環する水の温度が上昇してしまい、水に溶け込む酸素量が減少してしまったことが原因かもしれません。
水温が上昇すると溶存酸素量が減り、酸素不足を起こすと野菜の根を腐らせてしまいます。
循環する水の温度を下げれば溶存酸素量を増やすことが可能ですが、冷却装置などを使って水温を下げるのは(電気代的にも)あまり現実的ではありません。
また、エアーポンプによるエアレーションだけでは酸素不足を解消できそうになかったので、水面から酸素を吸収するという性質を利用して溶存酸素量を増やしたいと思います。
ポンプ未設置の水槽水面下で死水域が発生し、水が滞留していた
自宅での室内水耕栽培装置の全体像です。
左下の貯水タンクから、揚水ポンプで一番上の塩ビ管へ水を上げ、2段目3段目の塩ビ管を通過した水は右下の貯水タンク&育苗水槽へたどり着きます。
右貯水タンクから左貯水タンクへ水が流れるように高低差をつけることで一つの揚水ポンプで水が循環するようになっています。
こちらは貯水タンクのみの写真ですが、手前側の水槽の底には揚水ポンプが設置されているため水槽内の水は割と循環してくれます。
奥の水槽はポンプが設置されておらず、溜まった水の表面だけが循環するだけで、青枠で囲まれた部分が死水域となってしまいました。
水面のごくわずかな水は酸素を吸収出来るかもしれませんが、水が循環できない水面下の死水域では酸素を十分に取り入れることができない状態です。
育苗スペースとして使っていた部分ですが、室温上昇に伴う酸素不足を解消する為に、奥の水槽を改造します。
死水域から汲み上げた水を水面に落として循環させる
右上(塩ビパイプ)に接続されたホースを水槽の中に入れてあります。
100%循環していないわけではないのですが、赤で示した部分の水が滞留しやすい状態になっています。
水面のわずかな水だけが左の水槽に流れているだけの状態だったので、右の水槽にもポンプを設置して改善しました。
右の水槽にポンプを設置することで、滞留していた水面下の水を吸い上げました。
吸い上げた水を同じ水槽内の水面に戻すことで水面を波うたせ、表面積を増やすことで酸素の吸収量をあげています。
酸素不足の水を水面まで持っていくので水槽全体の酸素量は増えたかと思います。
更に塩ビ管から伸びているホースを水中に入れるのではなく、水面より上になるようホースをカットしました。
これでより水面の波うちが激しくなり、酸素を吸収しやすくなったはずです。
溶存酸素計が高くて買えないので数値で確認できないのでなんとも言えませんが。
上の動画では貯水タンクに蓋はありませんが、日光により藻が発生してしまうので普段は蓋をしています。
吐水側のホースも循環させているポンプの先も水面より上なので、バシャバシャと結構な音がしますが、目をつむることにします。
一時は萎れかけてた(ようにも見えた)レタスの葉ですが、この方法に切り替えてから状態が良くなったように感じます(たぶん)
水温上昇による根腐れを起こしてしまった場合は、水面を波打たせることで改善するかもしれません。